工務店の中には、仕事がなくて経営が大変だというケースだけでなく、むしろ仕事はたくさん受注しているのに利益が増えず、一向に資金繰りが改善しないというケースもあります。そもそも工務店の資金繰りが悪化してしまう理由や、改善が難しい理由は何なのでしょうか。
ここでは、工務店の資金繰り悪化の原因と対策を解説します。
そもそも工務店の資金繰りが難しかったり、キャッシュフローが悪化したりする原因として、工務店など建築業界における入金サイクルの特殊性が挙げられます。
例えば、小売店の場合、商品を顧客へ販売する際に対価としてお金を受け取ります。しかし、工務店は依頼を受けてから企画や設計を行い、さらに住宅の建築工事などへ取りかかり、無事に完成して引き渡した時点で対価を受け取るという流れが基本です。
そのため、受注してから入金までどうしてもタイムラグが生じてしまう上、工事の規模や状況によっては入金時期がどんどんと先延ばしされてしまいます。
入金サイクルが特殊な工務店ですが、そこで働く従業員や外注業者の職人などへ支払う賃金は定期的に発生します。つまり、注文住宅を建てる依頼を受けたとして、それが完成して施主から入金されるまでに支払う建築費などは、ひとまず工務店が立て替えなければなりません。
もちろん、資材を購入する業者との取引であれば、入金時期を少し待ってもらえる可能性もあるでしょう。しかし、従業員の給料については毎月必ず発生しますし、個人で仕事を請け負っている外注職人のような場合、きちんと対価を支払わなければその人の生活が破綻するかもしれません。
このような理由から、工務店ではキャッシュフローの管理が極めて重要になります。
建築業界や建設業界の常として、予算として計上した金額と、実際に発生した出費の差が大きくなりやすいという点も課題です。
そもそも、住宅にしろビルにしろ建築には相応の時間がかかります。そのため、工事を進めている間に物価が変動したり、資材が高騰したりする可能性が常にあり、それらの金額差を完全に把握してシミュレーションすることは困難です。
当然ながら、そういった予実差異のリスクも踏まえて見積や予算シミュレーションは行うものの、逆にあまりにも大きな予備費を計上すれば見積額が増大してしまって他社へ仕事を取られてしまう可能性もあり、バランスを見極めることが必要になります。
工務店の入金サイクルや工期の中で発生するコストなどを踏まえて、短期的な収支管理だけでなく、中長期的な資金繰り表を作成して計画的にキャッシュフローの管理をしていく体制構築が重要です。
これにより、常にキャッシュフローの悪化や支出の変動を早めに察知できる環境を整えて、資金繰りが悪化しそうな気配があれば先んじて対策を講じられるようになります。
また、中長期的な資金繰り表と現状の実態を比較検証した上でフィードバックし、必要に応じてリプランニングを考えることも大切です。
資金繰り表や計画を作成するだけでなく、それらに基づいて予実管理を実施していくことが必須です。
予実管理は、予算として算出した金額と、実際に支出した金額の差を把握し、その結果に応じてキャッシュフローの管理を適正化しつつ、またどうしてその金額差が発生したのか原因を考えて次の予算作成にフィードバックさせる一連の作業となります。
予実管理を行っていく中で、明らかに予算と実費の差が大きくなったり、常に金額差が生じたりする場合、そもそも予算についての考え方や費用の計算方法に不備があるかもしれません。
予実管理は資金繰りを改善する上で絶対的に重要となるポイントです。
そもそも工務店の資金繰りを困難にする原因の1つが、工事をしている期間が長くて、その間の様々な状況変化や市場の変動を受けやすいという点があります。言い換えれば、工期を短縮して外的な影響を受けにくい体制を構築すれば、予実管理を行いやすくなり、無駄な出費やコストも軽減しやすくなるでしょう。
また、工期を短縮できれば施主にとっても早く住宅を手に入れられるため、顧客満足度の向上にもつながります。
とはいえ、工期短縮のために手抜き工事をしては本末転倒であり、品質や安全性を維持しつつ工期短縮を目指す施策を考えなければなりません。
パネル工法とは、現場で一から住宅を建てていく方式でなく、あらかじめ工場で住宅の構造として必要な壁パネルなどを構築しておき、それらを現地へ運搬して組み上げるという方式です。
パネル工法は事前に住宅の構成要素をパネルとして製造しておけるため、現場作業を大きく簡略化して全体的な工期圧縮に貢献します。また、工場のシステム化された環境でパネルを製造するため、均一な品質を保ちやすく、職人の技術や工事現場の環境による住宅性能の差や工事計画の修正リスクを防止しやすいこともメリットです。
一方、最も工期を短縮できる大型パネル工法の場合、パネルの運搬で課題が発生しやすいことも事実です。そのため、作業効率と耐震性などの住宅品質、さらに運搬のバランスを考えて、耐力面材や下地、間柱といったポイントをパネル化する「真壁パネル工法」がおすすめとなります。
予実管理を適正化して、予算と実費の差異を抑えられているのにキャッシュフローが改善しなかったり、資金繰りが悪化したりする場合、そもそもコストが大きすぎるという原因が考えられます。
どれほど施主から大きな金額を受け取っても、それに応じて多額のコストを支出していれば、当然ながら利益は圧縮されキャッシュフローも不足していくことが必定です。
そのため現状のコストを洗い直して、削減ポイントを考えることが肝要です。ただし、低コスト化を優先するあまり資材の品質を無視したり、必要な作業員をカットしたりすることはNGです。
即時的な自社の取り組みや現在の予実管理の見直しだけで資金繰りを正常化できない場合、銀行などの金融機関から事業性融資を受けることも方法の1つとなるでしょう。
そもそも工務店は入金サイクルが特殊であり、また施主が住宅ローンなどで住宅費をまかなう場合、住宅が完成しなければ融資金が振り込まれないといった仕組みも問題です。そのため、どうしても工務店では一時的な現金不足に陥りやすく、逆にそこを乗り切ればきちんと入金されることも期待されます。
特に住宅ローンと事業ローンを同じ銀行で申し込む場合、銀行にとってもお金のチェックをしやすく、相談しやすい可能性もあるでしょう。ただし、融資を受けるためには適正な事業計画や予実管理を行えていることが前提となります。
銀行などから融資を受けるとしても、それは一定の利子を含んで返済しなければならないお金です。そのため、返済のタイミングでキャッシュフローが悪化すれば、結果的に資金繰りが悪化する可能性も無視できません。
そこで、国や地方自治体、公共団体などが実施している補助金や助成金といった支援制度を利用することも大切です。
現在は環境負荷の軽減や暮らしやすさの向上を目指して各地で様々な取り組みが進められており、工務店などが利用できる補助事業や助成事業も存在します。そのため、自社が利用できる事業や制度がないか定期的にチェックするようにしましょう。
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